山の手クリニック 性病について

B型肝炎

B型肝炎とは?

  • ・B型肝炎ウイルスが肝臓に感染して起こる状態のことです。
  • ・免疫正常の成人の多くは一過性の感染(自己免疫により排除)で済みます。
  • ・数%に持続感染を起こします(キャリア)。
  • ・感染が持続する人の一部に肝硬変や肝癌を発症します。
  • ・日本では約1%の人が感染(キャリア)しています。

B型肝炎感染者はは世界でも2億人以上存在します。感染様式としては"一過性の感染"と"持続感染"の大きく2つに分けられます。一過性感染は不顕性感染(80%)と急性肝炎(20%)があり、不顕性感染では無症状、急性肝炎は後に述べるような黄疸や発熱、肝機能異常などを引き起こします。持続感染(キャリア)は無症候性と症候性の2つに分けられます。

感染経路

  • 1) 母子感染
  • 2) 輸血・針刺し・注射など
  • 3) 性行為など(オーラルセックス含む)

HBV(B型肝炎ウイルス)は肝臓で複製・増殖し、血中に放出されます。精液・頚管粘液・膣液・唾液・尿などにもHBV-DNAが検出されております。これらを介しての感染経路が一般的には考えられます。近年、先進国などでは、キャリアの母親からの垂直感染は適切な予防(ワクチン・グロブリン製剤)をすることにより大きく減少しております。今後、性行為での感染は十分注意が必要とされております。米国CDCの報告では、1994年~98年の間に発生したB型肝炎のうち、40~50%が異性間での性交渉によるものとされております。他のデータでも、過去4ヶ月間に5人以上のセックス・パートナーを持った人では、21%がHBVに感染または感染既往が見つかっています。5人未満の場合は6%のみが陽性でした。ディープキスのみでの感染例も報告されてます。体液や直接の粘膜同士の接触は感染機会と考えたほうがよいですが、健康な皮膚からは感染しませんし、間に水や食事などの媒介があれば希釈され、感染することは日常生活上(入浴・プール・理髪・食器など)では特に心配要りません。もちろん、これまで学校や会社などでの感染例はありません。性行為とそれに準ずる行為(オーラル等)はリスクがあると考えてください。

症状と経過

一過性の感染

性行為による感染機会の後、2~6週間で血中のHBs抗原が陽性反応を起こします。輸血・針刺しなど直接血液が侵入した時はこの期間は数日~数週間と短くなります。この2~3週間後から肝機能(GPT)が上昇します。無症状のことも多いですが、症状を起こす場合は、自覚症状として倦怠感・食欲不振・発熱・赤褐色尿・黄疸などが出現します。その後、臨床症状は徐々に消失していき、肝機能・HBs抗原陰性化し、急性肝炎は治癒します。

HBVキャリア

日本では、従来免疫能がしっかりした成人からのキャリアへの移行は皆無と考えられていましたが、HBVの遺伝子型によってキャリアへ移行することがわかっています。(従来日本にあったHBVの遺伝子型はB、C型でしたが、最近はA型、特にヨーロッパ型:Ae型が、性行為の多様化と共に急増しております。このA型の感染では成人でも慢性化しやすいとされております。)
キャリアとは、HBVが体内に治癒しないで、持続的に感染し続けている状態です。症状が全く無い場合を無症候性キャリアといいます。この後の経過は様々ですが、いつか肝炎を引き起こします。急性肝炎の経過をたどり、数ヶ月で治まってしまうこともあれば、慢性肝炎のスタイルをとる場合もあります。一旦、慢性肝炎のスタイルをとっておいて、ある日突然急激に増悪することもあります。HBVが何らかの原因で増殖され始めると肝硬変・肝細胞癌を引き起こすことに繋がっていきます。

劇症化

約1%以下の人に劇症化を引き起こすことがあります。肝移植なしでの死亡率は60~70%に上ります。

B型肝炎にかかっているか否かの検査に関して

  • ・急性肝炎症状無いとき、一般のスクリーニングではHBs抗原検査が行われています。
  • ・HBs抗原は、多くの感染初期、キャリア期で検出可能ですが、HBVの変異株や、感染後ウイルス量が減少している時期などでは見逃す可能性も。
  • ・厳密に調べる際は、HBs抗原だけでなく高感度法のHBs抗原、HBe抗原やIgM/IgG-HBc抗体などの検査も行う。

感染時の治療

  • ・多くの場合一過性感染なので、保存的に治癒します。
  • ・劇症化が疑われる時などは、抗ウイルス剤を使用することもあります。
  • ・肝機能が非常に悪い場合や黄疸があるときは入院して加療します。

急性肝炎が慢性化(6ヶ月以上持続)したときは、インターフェロンや逆転写酵素阻害剤による治療をしていきます。また、急性B型肝炎の治癒後も肝臓内でHBV増殖が生涯持続することが多いことが分かってきております。臨床上問題になることは少ないですが、抗がん剤や免疫抑制剤などの治療をした場合、肝内組織のHBVが増殖し、B型肝炎の再燃が見られることがあり、注意が必要となります。

どんな人が検査をしたほうがいい?

  • ・パートナーがB型肝炎キャリアの方
  • ・性交経験が多い方
  • ・使い回した針を使用した方
  • ・医療従事者
  • ・輸血・血液製剤を受けられた方

予防方法

  • ・医療従事者・キャリアのパートナーがいる方などはワクチンなどで予防しておく。
  • ・血液が皮膚に付いた場合、傷が無ければ大丈夫ですが、流水で素早く洗う。
  • ・複数の方との性行為を持つ人もワクチン予防しておいても良いでしょう。
  • ・性交時にコンドームを付けるのは勿論ですが、他のウイルス(C型・HIV)よりも感染力は強いため、その他の行為なども気をつけたほうがよいでしょう。
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